私は,銀河における物質輪廻の中での天体形成(特に恒星と惑星)に興味をもって研究をしています。 星は銀河進化に非常に重要な役割を果たしています。重い星は,強い放射と強烈な質量放出(星風)・ 超新星爆発によって,周囲環境に多大な影響を与えます。一方,軽い星は,寿命が長いため, 銀河進化の過程で作られた星が蓄積していき,銀河の歴史を紐解く貴重な資料になると共に重要な重力源になります。 高エネルギー現象を引き起こしたり,重力波源となるコンパクト天体(白色矮星や中性子星・ブラックホール)は, 元々は恒星です。我々が住む惑星は,星形成に続いて,その周囲で作られます。 このように星は天文学の様々な分野で重要な役割を果たす基本要素であり,その形成過程を理解することは 大きな意義があります。
星・惑星形成は,自己重力・磁気流体力学・輻射輸送・光化学反応・固体といった様々な基礎物理および化学が 密接に絡む非常に複雑なプロセスです。研究を始めた大学院在学時から,星間ガスの物理や星形成に関する研究をおこなってきました。 最近では惑星形成に関する研究にも手を出しています。また研究遂行上必要となる数値流体計算手法の開発もおこなっています。
以下に「星間ガスと星形成」・「惑星形成」・「数値計算手法」に関する研究について紹介します。