この研究の大局的な目標は,ほとんど唯一の地球史連続記録媒体である海底堆積物から,過去40億年間における地球とそれをとりまく宇宙の歴史を「解読」することである.この目標に向けて進むために避けて通れない最も基本となる事項を洗いだし,技術的な検討を行なった.その結果,われわれは以下に示す課題について,この解読が実行可能であること,および,刷新的な成果がえられることを確認した.
解読可能な,しかも斬新な諸課題の数はあまりにも多い.そこで本研究の計画研究では,試料採集,分析,データ解析などの研究の基本ステップにおける基礎の確立,および,次の二つの課題にしぼって焦点を合わせる.
日常的物理環境としては,気候,一日の長さ,大気と海洋の組成,地球磁場の強さ,大陸と海洋の大局的な分布,火成活動の程度,噴出する火成岩の組成,地球外物質の流入率などを考える.それらの変動を堆積物から読み取り,相互の関係からその変動が決まる要因や因果関係の解明をめざす.
地球史上の大事件のうち,特に次の二つに着目する.