XD2000システム利用申請 付録
1. 並列化効率について
CfCAでは限られた計算資源を効率良く使っていただくため、カテゴリAなどの申請の際には指標として並列化効率を記入いただいております。
この文章はその並列化効率の算出方法について説明したものです。
重要な点は太字で記述しております。
並列化効率にはストロングスケーリングとウィークスケーリングの二種類の算出法が存在します。
申請の際には片方のみの数字で結構です。
特に問題がなければストロングスケーリングでの並列化効率をお書きください。
2. ストロングスケーリング
問題サイズの総量を固定した上で、並列度を変化させ、その実行時間を比較する方式をストロングスケーリングと呼びます。
並列度 m を基準とした並列度 n における並列化効率 α は以下の式で表されます。

ここで Tk は、並列度 k で計算したときの実行時間です。
ストロングスケーリングの方式では、基準の2倍の並列度で計算した場合、1並列が担当する問題サイズは半分になります。
ウィークスケーリング1並列あたりが担当する問題サイズを固定した上で、並列度を変化させ、実行時間を比較する方式をウィークスケーリングと呼びます。
並列度 m を基準とした並列度 n における並列化効率 β は以下の式で表されます。

先ほどと同様、Tk は並列度 k で計算したときの実行時間です。
ウィークスケーリングの方式では、基準の2倍の並列度で計算した場合、問題サイズの総量は2倍になります。
3. 注意
- 問題サイズとは流体計算においては空間グリッド数の和、N体計算においては粒子数を指します。
- 実行時間にはジョブの実行から終了までの時間ではなく、メインループを計算するのにかかった時間を使用してください。
また、測定時はデータI/Oの処理を抜いて実行して頂いて構いません。 - 並列度とはここでは分割処理の個数で基本的にはMPI process数とOpenMP (または自動並列)のthread数の積を指します。
ただし、近年の計算機では同じ数のノードを使用した計算でも並列度を変えることができますので、記述の公平さのため、
使用したハードウェアおよび記述した並列度に対応するノード数も合わせてお書きください。 - 上記の測定において、並列化効率算出の基準とする並列度 m は m ≤ n/2 に設定した上で比較してください。
最終更新日時: 2024年7月3日