スーパーコンピュータ「アテルイⅡ」の解説パネルが設置されました

国立天文台水沢キャンパスに,スーパーコンピュータ「アテルイⅡ」解説パネルが設置され,2019 年 12 月 14 日,お披露目セレモニーが執り行われました.設置されたのはスーパーコンピュータ室東側の道路脇,見学コースに面した場所です.パネルの大きさは高さ 160 cm(パネル部分 90 cm),幅 180 cmで,スパコン室内で稼働を続けるアテルイⅡの計算能力や名前の由来,天文学研究における役割などの解説が日本語と英語で記載されています.暖かな日差しの中で行われたセレモニーでは,多くの方々に見守られながら,関係者による解説パネルの除幕が行われました.( 2019 年 12 月 27 日 掲載)



図: 2019 年 12 月 14 日に国立天文台水沢キャンパスでお披露目されたスーパーコンピュータ「アテルイⅡ」解説パネルと,除幕を行った 6 名.左から,小久保英一郎 国立天文台天文シミュレーションプロジェクト長,本間希樹 国立天文台水沢 VLBI 観測所長,小沢昌記 奥州市長,中野守 クレイ・ジャパン・インク代表取締役社長,大江昌嗣 NPO 法人イーハトーブ宇宙実践センター理事長,田面木茂樹 奥州市教育委員会教育長.Credit:国立天文台
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【解説パネル設置の経緯と運用について】
国立天文台水沢キャンパスに 2013 年に設置された天文学専用スーパーコンピュータは,その愛称を「アテルイ」(NS-04 ATERUI)と名付けられました.これは今から約 1200 年前に現在の奥州市の地域を治め,朝廷からの軍事遠征に勇猛果敢に立ち向かった蝦夷の英雄・阿弖流為(アテルイ)にちなんだもので,宇宙の謎にも果敢に挑んで欲しいという願いを込めて命名されました.この「アテルイ」の名は 2018 年から運用が開始された新システムの愛称「アテルイⅡ」(NS-05 ATERUI Ⅱ)として引き継がれ,現在も地域の多くの方々に愛されています.

この地域にちなんだ「アテルイ」の愛称に賛同した奥州市によって,この度,国立天文台水沢キャンパスに「アテルイⅡ」の解説パネルが設置されました.これにより,世界的な研究成果を挙げている学術資源を一般市民の目にも触れるように紹介し,奥州宇宙遊学館などの関連施設の利用促進および満足度向上を図り,市民の生涯学習意欲の啓発などに貢献することを目的としています.

今後の運用は国立天文台が行い,「アテルイⅡ」による最新の研究成果などを盛り込みながら不定期で更新される予定です.スーパーコンピュータが描き出す最先端の宇宙像を,この解説パネルを通して地域の皆様に伝えていきます.

【国立天文台天文シミュレーションプロジェクト長 小久保英一郎 コメント】
現在,アテルイⅡは月一度の保守時間を除いて,1 年 365 日、1 日 24 時間,休みなく計算をし,宇宙の謎に挑んでいます.その計算能力は 1 秒間に 3000 兆回というもので,天文学専用としては世界最速です.今後のアテルイⅡの成果にご期待ください.解説パネルを通して,多くの方にアテルイⅡを知っていただけることを嬉しく思います.設置くださった奥州市に感謝いたします.


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国立天文台 水沢