双曲線軌道を描く天体の起源 ―恒星間天体か? それともオールトの雲からか?

【概要】

 2017年に発見されたオウムアムア天体(1I/’Oumuamua)や、2019年に発見されたボリソフ彗星(2I/Borisov)など、近年極端な双曲線軌道を描く天体が立て続けに発見され、太陽系外から飛来したと話題になっています。これらの天体がほんとうに太陽系外起源なのか、天体軌道の進化と分布に着目した研究が、国立天文台の樋口有理可 特任研究員と小久保英一郎 教授によって行われました。その結果、これらの天体は太陽系外起源である可能性が高いことがわかりました。この研究成果は、英国王立天文学会月報オンライン版に2019年11月11日に公開され、2020年2月号に掲載されました。

詳しくは国立天文台 RISE 月惑星探査プロジェクトからのプレスリリース「双曲線軌道を描く天体の起源 ―恒星間天体か? それともオールトの雲からか?」(2020年1月17日)をご覧ください。



図:本研究の概念図。太陽系外起源の天体(赤)と、オールト雲起源の彗星(青)が木星質量程度の天体(白)の影響で極端な双曲線軌道を持つ場合を描き出している。(クレジット:国立天文台)


【論文について】

題目:Hyperbolic Orbits in the Solar System: Interstellar Origin or Perturbed Oort Cloud Comets?
著者:A. Higuchi and E. Kokubo
掲載誌:Monthly Notices of the Royal Astronomical Society
DOI:10.1093/mnras/stz3153


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【関連リンク】

国立天文台 プレスリリース「双曲線軌道を描く天体の起源 ―恒星間天体か? それともオールトの雲からか?」
国立天文台 月惑星探査プロジェクトプレスリリース「双曲線軌道を描く天体の起源 ―恒星間天体か? それともオールトの雲からか?」