地球軌道の安定性とその必然性
国立天文台 天文学データ解析計算センター 伊藤孝士

  地球軌道の変動は自転軸の運動と連動して大気上端に入射する日射量変動の
直接要因となり、数万年から数十万年の氷期間氷期サイクルという気候変動の
駆動源であると言われて来た (Croll, 1875; Milankovitch, 1941; Hays et
al., 1976, Berger et al.,1989; Ito et al., 1995)。軌道要素の変動を解明
するとは、即ち重力に支配された惑星の運動を追いかけるということである。
この領域は数世紀にわたり天文学のもっとも中心的な課題であり続け、非常に
多くの研究が蓄積されてきた。日射量変動は、地球表層の気候変動に対する外
部的要因としてはその原因と変化が極めて精密に計算できるものであるという
特徴を持つ。これは、惑星の運動が質点と剛体の力学で良く近似されるいわゆ
るハミルトン系であることに起因している。全地球史解読計画に於いては、日
射量変動のこうした性質を利用して太古代や原生代と言った全地球史的過去で
の物理的地球環境の復元を試みようとしている。しかしながら、現在の地球軌
道要素の準周期的な変動が同様に全地球史的な時間スケールでもやはり準周期
的に保たれるかどうかについては今のところ何らの情報も得られていない。た
かが九個や十個の質点の古典的重力相互作用による運動に関してすら、全地球
史46億年の壁は厚いのであれう。私達はこうした問題に新しい数値計算法と伝
統的な解析的手法を用いて挑んでおり、全地球史解読計画に於ける相対年代測
定用時計の役割を果たそうと目論んで来た。本稿では惑星運動の研究の概要と
現状、今後の課題などについて私達の研究の結果を交えながら概観する。

惑星運動の特徴
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  万有引力に支配された天体の運動方程式は ma=f そのものの簡単な形をして
いる。しかし一般に、N個の天体が相互作用する場合の解析的な解は存在しな
い。わずかに N=2、すなち重力二体問題の場合にのみ後述するような二次曲線
という解が知られているだけである。惑星の軌道は楕円であるとしばしば表現
されるが、これも近似的には楕円的であるというだけの話であり、厳密には軌
道は互いの重力作用によって常に揺れ動いており、解析的な式で表現できるも
のではない。だが惑星の運動には、太陽重力の影響が他の力に比べて圧倒的に
大きいという特徴がある。太陽重力の大きさ 1 とした場合の惑星間重力相互
作用の大きさは大雑把に言って 10^{-3} 程度である。このことより、惑星の
運動は基本的には太陽と自分自身との重力二体問題であり、それに対する微小
な摂動として惑星間の重力相互作用(以後は摂動力と呼ぶ)が働いているとい
う構図を描くことができる。
  さて前述のように、天体が二個の場合、つまり重力二体問題には運動方程式
の解析的な解──太陽を焦点のひとつとした二次曲線──が存在する(この三
つのうちどれになるかは位置と速度の初期条件による)。もしも宇宙に太陽と
地球だけしか存在しなければ、地球は太陽を焦点のひとつとする楕円軌道上を
永遠に周回し続ける。軌道自体も慣性系に対して固定され、動くことはない。
楕円軌道に代表されるような二次曲線を解とする天体の運動はケプラー運動と
呼ばれる。太陽の重力が支配的であるということは、惑星の運動はケプラー運
動に非常に近く、惑星間の相互重力が摂動としてわずかに軌道を乱すように働
いているということである。
  ケプラー運動に近い天体の運動を議論する場合には、直交座標よりも軌道六
要素と呼ばれる変数(a,e,I,ω,Ω,l; それぞれ軌道半長径、離心率、軌道傾斜
角、近日点引数、昇交点黄経、平均近点離角)を用いた方がはるかに便利であ
る。重力二体問題すなわちケプラー運動の場合には、平均近点離角 l 以外の
五要素(a,e,I,ω,Ω)は時刻に対して一定であり、lのみが時刻と共に変動する。
重力二体問題が『縮退している』と言われる所以である。この性質と、惑星運
動がケプラー運動に近いという事実を思い起こすと、軌道要素の時間変化を追
うには必然的に以下のような逐次近似の方法を採用したくなることがわかる。
ケプラー運動を引き起こす太陽重力に比べて摂動力は非常に小さいので、級数
の収束が速いからである(Brouwer and Clemence 1961)。
  ある物理量 x の時間変化を記述する微分方程式 f(x) = 0 があり、解 x_0 
は既知であるとする。x_0 は惑星運動に於いてはケプラー運動に相当する。こ
の系に摂動 εg(x) が加わってf (x) + εg(x) = 0 となった場合の解を逐次
近似で求めるのが摂動論である。このような場合には、x をパラメータεの羃
乗で x = x_0 + ε x_1 + ε^2 x_2 + ε^3 x_3 + のように展開し、微分方程
式f(x) + εg(x) = 0 に代入してεの同次項を比較するという手法を採る。例
として f(x) = x.. + x, g(x) = -x^2 を考えると、同次項の比較結果は以下
のようになる(x.. は x の二階時間微分を意味する)。

  O(ε^0) :  x_0.. + x_0 = 0         → 0次解x_0 → O(ε^1) の式へ代入
  O(ε^1) :  x_1.. + x_1 = -x_0^2    → 1次解x_1 → O(ε^2) の式へ代入
  O(ε^2) :  x_2.. + x_2 = -2x_0 x_1 → 2次解x_2 → O(ε^3) の式へ代入
  O(ε^3) :  …

  以下同様にして逐次近似を繰り返せば、n 次の近似解 x_n が求められる。
近似の次数が上がるに従って計算量は鼠算的に増大する。なお、実際の問題で
はパラメータε自体も時間変化する場合が普通なので、上記の手続きはいわゆ
る定数変化法に相当する。
  惑星科学や天文学など長い時間スケールの現象を対象とする分野で問題にな
るのは、ケプラー運動では縮退して動かない軌道要素 a,e,I らのゆっくりと
した変動であり、公転周期に起因した(従って時刻に直結した)短周期変動で
はない。このことを考慮し、あらかじめ公転周期に関して平均化した運動方程
式を解いて解の長周期の振舞い(永年変動)のみを抽出しようとする永年摂動
と呼ばれる方法がある。惑星の運動を公転周期に関して平均化してから解くと
は、物理的には惑星を質点ではなく角運動量付きのリングとして取り扱うこと
に相当する。具体的には、摂動関数の永年項(公転周期に関して平均化して残っ
た定数項)だけについての運動方程式を解くことになる。詳細は省略するが、
質点の運動方程式から出発し、永年摂動の方法を用いて或る種の変数変換を行
うことで、惑星の軌道要素変動は線形振動の重ね合わせとして記述することが
できる。摂動論の方法は数式をいじくる手間さえ厭わなければ何次まででも精
度を高めることができるが、いずれにせよこの方法による結果の意味するとこ
ろは、惑星運動は長い期間(それがどの程度であるかはまた別の問題である)
にわたって安定であり、軌道要素は準周期的な変動を延々と繰り返すというこ
とである。例えば Laskar (1988) の一連の研究は、二次の永年摂動に於いて
離心率と軌道傾斜角の五乗までを考慮した方程式を作り、それを大規模な数式
処理システムを用いて解くという精密なものである。この結果によれば、地球
の軌道は±100億年以上にわたり現状と同様に安定で、離心率も小さいままに
保たれるという(Laskar 1996)。

数値積分
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  摂動論に代表される解析的な手法は前世紀以前から研究され続けて来たもの
である。これに対し、近年の計算機技術の急速な発達に後押しされ、運動方程
式を直接数値積分する方法が大いに発展して来た。数値積分は摂動論のように
平均化や級数打ち切りなどの操作をしないので、精密な数値積分は摂動論の確
からしさを検証する道具ともなり得る。数値積分の具体的手法は多岐に渡るが、
惑星運動の特徴として(1) 運動は非常に滑らかであり、天体同士の接近遭遇が
なければ急激な変動はない、(2)系のサイズ(N の大きさ) が小さいためにベク
トル化や並列化にはあまり馴染まない、と言った特徴がある。このため、予測
子法(多段法)やルンゲ・クッタ法などの多項式近似タイプ(Kinoshita and
Nakai, 1996)、高精度が要求される場合には補外法(Ito and Fukushima,
1997) もしばしば用いられる。また最近、惑星運動がハミルトン系として十分
良く近似できるということに着目したシンプレクティク数値積分法という新し
い解法が現れ、各種の改良が重ねられて惑星運動数値解法に於ける主流を占め
つつある(Yoshida, 1993)。私達はこのシンプレクティク数値積分法を用い、
惑星の運動を過去と未来の数億年間にわたって数値的に追ってみた(Ito et
al. 1996)。その結果は Laskar らの永年摂動論と良い一致を示している。即
ちこの程度の期間では惑星の軌道は準周期的な運動を繰り返すばかりであり、
不安定や衝突などはまったく生じていない。後に述べるように、数学的側面か
ら見た惑星の運動はカオスの様相を呈しており、カオスの特徴的時間スケール
であるリャプーノフ(Lyapunov)時間はわずか数百万年である。それにも関わら
ず、地球を含めた現在の惑星系の運動は極めて、非常に、信じ難いほど安定で
ある。数億年という積分期間を短いと感じる読者もいるであろうが、これはマ
シンの能力と計算時間の制約に依るものである。計算量を減らし、計算時間を
短縮するために、私達は外惑星(木星から冥王星まで)のみに対象を絞った数
値実験も行ってみた。外惑星系の軌道進化について400億年以上の数値積分を
行ってみたところ、目に付くような軌道の変化は予想通りほとんど発生しなか
った。少なくとも現在の惑星の軌道は大変に安定で、不安定や衝突・散乱には
ほど遠いコンフィグレーションに居ることがわかる。

惑星系の安定性とカオス
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  前述したように、重力二体問題=ケプラー運動は無限長の時間で安定なので、
これに近い運動状況を呈する惑星系も非常に長い期間安定であると予想される。
ここでは 『安定』 を 『惑星同士の接近遭遇が生じない』 という意味に定義
する。しかし近年、こうした常識を揺るがす事実が数値実験によってわかりつ
つある。すなわち、惑星の運動はいずれもカオス的であり、カオスの特徴的時
間スケールであるリャプーノフ指数は数百万年(内惑星系の場合)と非常に短
いということである(Sussman and Wisdom, 1992)。カオスとは即ち系が鋭敏な
初期値依存性を持つということだから、数値計算によって得られた惑星系の安
定性が現実のものなのか、本当に不安定は生じないのかどうかなどの疑問につ
いては、初期値空間を十分に探索した後でなければ結論を出すことはできない
ということになる。計算機の能力限界や計算誤差の蓄積などの問題のため、現
在の数値計算はまだまだ初期値空間のごく一部を覗き見るに留まっており、こ
の意味で惑星系が 10^9 年の時間スケールで安定であるということに対する保
証はどこにもない。いくつかの長期の数値積分の結果はリャプーノフ指数を遥
かに超えた期間にわたる安定性を示しており(Kinoshita and Nakai, 1995 な
ど)、数学的に定義された 『カオス』 と物理的に定義された 『安定性』 と
の対応が明確ではないことが現れている。けれども、現に惑星系がカオスであ
る以上、いつかは準周期的な振舞いをやめ、いわゆるカオス的な大変動を起こ
さないと断言することはできない。それがカオスの本質である。この意味で数
値実験が示すように、惑星系は例えば地球史的時間スケール( 10^9 年)では安
定であるかもしれないが、その間にも極めてゆっくりとした速度でカオス的な
拡散を続け、大変に長い時間( 10^10 年とも 10^11 年とも言われている)の後
には自ずから不安定を起こして瓦解してしまうのかもしれない。もちろんそれ
より早く太陽の寿命が尽きてしまうだろうから、実際的な意味での惑星系の安
定性は保たれるであろう。なお、天体軌道のカオス的拡散に関しては、惑星に
比べて安定性の強度が低い小惑星についての研究が行われ始めている
(Morbidelli 1997)。

安定性は必然か?
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  仮に惑星系がかほど安定であることが事実だとすれば、当然の如く次なる疑
問が発生する。これほど安定な惑星系は如何にして作られたのか?現在の惑星
配置の必然性はどれほどのものか?惑星配置の必然性を検分するには、仮想的
な惑星系を考えてその軌道進化や安定性を片っ端から調べて行くのが手っ取り
早い。惑星の質量を重くしたり、間隔をせばめたり、個数を増やしたりして不
安定性を加速した系で数値実験を行い、現実の系に対してスケーリングを当て
はめようとするのである。代表的な例は Chambers et al. (1996) で、等質量
の惑星を二次元平面内で等間隔で並べ、不安定が生じるまでの時間を計測した
ものである。面白いことに、質量があまり大きくない( 10^{-5}太陽質量程度)
の惑星を考えた場合には、不安定性に至るまでの時間は惑星の個数や質量には
あまり依らず、間隔のみに依存する。しかも惑星の間隔とlog[不安定までの時
間]にはきれいな線型の関係が現れている。私達も彼等の数値実験の追試を行
い、初期の惑星配置の違いによって一桁くらいの幅は現れるものの、この線型
の関係が成立することを確かめた。Hill 半径で規格化した現在の惑星の間隔
は地球型惑星領域で25から60以上、外惑星領域で10から20であり、木星型惑星
の領域に比べると地球型惑星の領域はかなり疎であることがわかる。Chambers 
らの実験通りに安定性と間隔の間に(対数とは言え)比例関係が成り立つとすれ
ば、地球型惑星領域は木星型惑星領域に比べて遥かに長い間安定である可能性
があるし、より定量的な数値実験とスケーリングによって具体的な安定性の時
間スケールを導くこともできるかもしれない。もちろん現実の惑星系は等質量
でも等間隔でもないので、数値実験には工夫が必要である。然るに、物事が物
理的に進化するのはいわゆる「不安定」〜衝突などはその好例である〜が生じ
た場合である。現実の惑星系の進化は極めてゆっくりで、不安定はなかなか生
じないかもしれないが、その場合には仮想的な系を考えて人為的に不安定を発
生させれば良い。実に単純な話ではあるが、伝統的な天体力学の枠組の中では
こうした基本的な発想の転換はなかなか為されて来なかった。計算機の進歩が
様々な数値実験を容易にした今こそ、こうした新しい発想と伝統的な技法に立
脚した研究が待たれているのである。
  安定な惑星系の必然性に対して答を出してくれる可能性のもうひとつは、惑
星集積過程の研究である。近年の観測技術の飛躍的発展により、従来は理論的
研究の産物に過ぎなかった原始惑星系円盤や太陽系以外での惑星系が次々と発
見される時代になっている。とりわけ系外惑星の発見は、私達の太陽系の普遍
性と特殊性を明らかにできる段階がすぐそこまで近づいていることを予感させ
るものである。こ うした状況のもと、微惑星の集積を扱う惑星集積過程に関
しては、強力な専用計算機を用いた重力多体問題の大規模な数値計算が東大駒
場のグループらにより活発に行われており、画期的な発見が相次いでいる。今
の惑星系がここまで安定なのはひとつには惑星の間隔が前述のようにかなり広
く空いていることに起因していると思われる。従って、惑星集積の段階で何故
このように大きな間隔を持って惑星が形成されたのかを問い詰めることにより、
惑星系の安定性の起源に迫ることができると考えられる。専用計算機による惑
星集積過程シミュレーションの最新の結果(Kokubo and Ida 1996, 1997)は遂
に惑星集積の最終段階にまで到達し、地球型領域には現在の惑星の十数分の一
の質量の原始惑星が十数個並ぶという状況を再現した。私達はこの結果を受け、
木星型惑星領域からの摂動によって地球型惑星領域の原始惑星が不安定を起こ
し、衝突・散乱を経由して現在の個数と間隔に落ち着いたのではないかと考え、
これをモデル化した数値計算を進めているところである。

おわりに
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  太古代の堆積物に刻まれた縞模様は日射量変動なのであろうか?そうだとし
たらその周期は今とどう違っていたのだろうか?私達の素朴な疑問は今や惑星
形成の必然性という大袈裟な問いにまで発展してしまったが、これは即ち、太
古代の堆積物の縞模様が惑星系の進化の様子を精密に記録しているということ
の証左に他ならない。重点領域研究としての全地球史解読計画は本年度で終了
するが、この三年間で新たに勝ち取った描像を礎にして私達が真の意味での全
地球史解読的意識に目覚め、行動を開始するのはまさに今日からである。


参考文献
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