41回 天体力学N体力学研究会

テーマ:計算と理論の最前線=多倍長 ×精度保証+積分可能性×正則化可能性
 
 
天体力学N体力学研究会(三鷹2009)集録ダウンロード: pdfファイル	

会場: 国立天文台(三鷹) すばる解析研究棟・大セミナー室

日程: 2009年3月13日(金)午後-14日(土) 
	
内容: 天体力学, N体力学の研究は数値計算, 理論による研究がともに重要である.これらの互いの研究を刺激し促進するために, 本研究会のテーマは数値計算, 理論の二本立てとする.
数値計算部門(1日目)では「多倍長×精度保証」をテーマとする. 天体力学の様々なモデル(例えば太陽系モデルなど)において存在すると思われるアーノルド拡散のようなデリケートな現象を数値的に観測するには、多倍長計算や精度保証数値計算などの高精度な数値計算が必要である.これらの高精度計算は通常の倍精度計算に比べて演算コストがきわめて高いため、利用は限られ来た。しかし、近年GP-GPUなどの廉価な演算アクセラレータの利用が広がり始めており、これらを活用した高速化により、利用範囲の拡大が待たれる。このように、開発・利用の両面から多倍長, 精度保証数値計算の理解を深め, 天体力学, N体力学の数値的な研究を促進したい.
理論部門(2日目)では「積分可能性×正則化可能性」をテーマとする.N体問題の理論的研究の重要なテーマの1つとして特異点解析がある.3体問題の特異点に着目した研究はパンルベから始まる.力学系の特異点の構造と可積分性にはなんらかの関連性があると期待されるが, 未解決な部分も多いと思われる.本研究会では, N体問題に限らず力学系の特異点と可積分性の関連性に焦点を当て, 問題点を明確にし, 特異点解析による研究のさらなる発展を目指したい.
	
<<プログラム>>
3月13日 (金)
12:55 - 13:00 開会あいさつ

多倍長計算・I  (座長: 小西哲郎)
13:00 - 13:30 齋藤正也(統計数理研究所)
  GP-GPUによる高速な多倍長演算器の実装に向けて 
13:30 - 14:00 <<招待講演>> 幸谷 智紀(静岡理工科大学)
  連立一次方程式はどこまで速く解けるのか? --多倍長計算を用いた反復改良法-- 
14:00 - 14:15 Coffee Break
	
多倍長計算・II (座長: 谷川清隆)
14:15 - 14:45 <<招待講演>> 小西 哲郎(名古屋大学)
   遅い動きと小さな量:カオスと多倍長計算
14:45 - 15:15 <<招待講演>> 中里 直人(会津大学)
  四倍精度演算の高速化
15:15 - 15:30 Coffee Break
	
天体力学 (座長: 関口昌由)
15:30 - 16:00 井上 茂樹 (東北大学)
  密度一定コア構造によるdynamical friction抑制のメカニズム
16:00 - 16:30 相馬 充 (国立天文台), 宮下和久 (穂高東中学校)
  水星の等級計算と水星食の解析
	
17:00 - 18:30 ポスター発表 

18:30 - 20:30 懇親会
	
	
3月14日(土)
	
積分可能性×正則化可能性(座長: 関口昌由)
9:10〜9:40 柴山允瑠(京都大学)
    3体問題の衝突特異点が正則化可能となる場合に関する考察
9:45〜10:45 <<招待講演>> 吉田春夫(国立天文台)
  ハミルトン系の可積分性と解の特異点の古典的正則化可能性
11:00〜12:00 <<招待講演>>石井雅治(椙山女学園大学)
  力学系の特異点の構造と可積分性
	
<<昼食>>
	
衝突多様体(座長: 齋藤正也) 
13:00〜13:30 <<招待講演>> 佐野光貞(京都大学)
  古典クーロン三体問題:特異性と非可積分性
13:35〜14:35 <<招待講演>>矢ヶ崎一幸(岐阜大学)
  2等辺3体問題における3重衝突の正則化と相対周期軌道の存在
14:35〜14:50 Coffee Break
	
力学系(座長: 柴山允瑠)
14:50〜15:20 <<招待講演>> 藤原 俊朗(北里大学)
  与えられた曲線上の三体コレオグラフィー
15:30〜16:30 <<招待講演>>曽我幸平(早稲田大学)
  KAM Theory, Aubry-Mather Theory and Hamilton-Jacobi equation
	
16:30 閉会あいさつ
	
	
ポスター発表(五十音順)
	
荒木田英禎(早稲田大学)
  Lemaitre-Tolman-Bondi 時空における惑星運動と天文単位の永年的変化
	
井口修(お茶の水女子大学)
  無衝突緩和での準平衡状態

伊藤孝士(国立天文台)
  若い小惑星(832)Karinの多色測光観測と自転
	
井上 茂樹 (東北大学)
  密度一定コア構造によるdynamical friction抑制のメカニズム
	
原田 雄司(国立天文台)
  かぐや(SELENE)の子衛星の高精度位置決定:多周波数同一ビーム法に基づく相対VLBI観測
	
山口 喜博(帝京平成大学)
  エノン写像における記号化
	
吉田二美(国立天文台)
  An Insight into the Solar System History through the Size Distribution of Jupiter’s Trojans


ポスター発表申し込み
前回お知らせした締め切りを過ぎましたが, 余裕があるのでポスター発表のみ引き続き募集します.申し込みは末尾のフォームを用いて電子メールでお願い致します。テーマとは関係しない話題でも、天体力学・N体力学に関係していることでしたら、講演を受け付けています。
	
講演申し込み締切: 2009年3月6日
参加だけの方は, 申し込みをする必要はありません.
	
宿泊施設: ご自身で確保をお願い致します. 武蔵境駅近辺が便利かと思われます.

アクセス: http://www.nao.ac.jp/about/mtk/access/index.html
をご覧下さい.

申込先: 

参加費: 研究会中の飲料・軽食代として若干の参加費を会場で徴収させていただきます。ご協力をお願い致します。

懇親会: 3月13日の夜に国立天文台の施設コスモス会館にて懇親会を予定しております(3000円程度).

SOC:齋藤正也, 柴山允瑠,関口昌由,
LOC:梅谷真史, 谷川清隆
	


集録を作成致します.
口頭, ポスター講演をされた方は2009年4月30日までに原稿をお送りください.

提出先: 

原稿はTeXで作成し, スタイルファイル(nbody09.sty)をご使用ください.
10ページ以内でお願い致します.nbodyproc.pdfhttp://www.nao.ac.jp/about/mtk/access/index.htmlfile://localhost/nbody09-22.styshapeimage_1_link_0shapeimage_1_link_1