関連リンク
全地球史解読計画とは?
名古屋大学理学部地球惑星科学教室教授の熊澤峰夫を代表者として進行中の
文部省科学研究費重点領域研究。平成七年度から平成九年度までの三年計画
である。構想自体は20年前に熊澤が名古屋大学在学中から存在していたのだ
が、ようやく近年になって重点領域研究という実質的形式に結実した。この
計画は、多圏間相互作用を真正面から考慮して地球の全歴史を解明しようと
いう立場に経つ新しいタイプの科学運動(または思想)と考えられ、伝統的
な業界人の間に当然の如く沸き起こった罵倒叱責誹謗中傷非難嘲笑脅迫無視
等をものともせず、既に膨大な金額の予算と夥しい数の人間が継ぎ込まれつ
つある。私自身は地球の自転公転変動経由で生じる日射量変動サイクルの変
遷を計算し、地球表層気候システムに対する基本的外力を与えるという立場
で参加している。国立天文台周辺では、位置天文研究系天体力学研究部門の
木下宙教授や地球回転研究系の大江昌嗣教授らが本研究組織の主要な正規構
成員となっている。
氷期・間氷期の原因は何か?
全地球史解読計画に対する私の寄与は、地球の典型的気候変動である氷期・
間氷期サイクルの原因と考えられている地球への入射日射量変動を正確かつ
長期間にわたって計算することである。地球軌道要素と自転軸の歳差運動が
大気上端に入射する日射量変動をもたらし、数万年周期での氷期・間氷期サ
イクルを駆動していると考えられている。
最終氷期(18000年前)での氷床の広がり
現在の氷床の広がり
tito$cc.nao.ac.jp