第6回全地球史解読ちょー若手の会」の報告

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会計報告

以上なにか質問がありましたら、釘宮まで気軽にメールを下さい。

第6回全地球史解読「ちょー若手の会」の報告

こんにちは、静岡大学大学院の釘宮康郎です。
先日、3月7日(土)〜8日(日)に静岡大学理学部付属天城フィールドセミナーハウ
スで第6回全地球史解読「ちょー若手の会」が行われました。「ちょー若手の会」は
さまざまな専門分野の研究者・学生が互いに自分の研究をやさしい言葉で紹介しあっ
て幅広い分野の最先端の研究を理解し身につけていこうという勉強会です。

今回、いきなりトラブル発生。現地は2日前に降った雪のため、セミナーハウスに続
く足跡がなく、もちろん管理人さんもいません。ようやく管理人さんを見つけると、
大学の会計係から何も連絡がないとのことでビックリさせられました。とにかく鍵を
借りて、会の準備ができました。雪のためか、何人か来なかったので時間を約40くら
い遅らせてはじまりました。
 今回の「ちょー若手の会」では、まず伊計さんに岩石のいろいろな変形組織のレビ
ューをしていただきました。特に岩石組織に残された過去のプレートの運動方向を知
るためのシアセンス・インディケーターについて、現在までの研究の状況と合わせて
詳しく話していただきました。なかでも、変形岩中に見られるポーフィロクラスト・
システムについて、彼による最新のシュミレーション結果とあわせて紹介していただ
きました。そのあと釘宮がチャート式地学による変形組織の調べ方その実践について
話しました。内容は、領家変成岩中のメタチャート・マイロナイトの変形組織である
マイカフィッシュ のでき方でした。これまでほとんど議論されていないマイカフィ
ッシュ のでき方静岡大学の卒業生である宮崎さんと矢田さんのデータをもちいて、
雲母の形、面積、ある基準面からの角度データから展開しました。まだまだたくさん
の問題点もありましたが、このような研究は野外調査なしには成り立たないと同時に
、野外調査の道具になることについてふれました。
 ゆっくり話しすぎてしまったようで、ここで4時30分を回ってしまいました。夜は
自炊であるため、次の講演は準備のあとにすることになりました。ここで、再びトラ
ブル発生。ガスがないのかコンロの火がつかず、お湯がでない、と大変なことになり
ました。結局管理人さんやガス屋さんといろいろ回ったのですが、使えませんでした
。カセットコンロを使うことにしました。ガスボンベに残りは少なく、買い出しに行
くのもたいへん。  
 結局、そのまま飲みに突入してしまったので、話は翌日になりました。翌日の朝は
やはり起きるのが遅く、10:20くらいからはじめることができました。参加者全員に
紹介OHPを持ってきてもらったので、各人紹介をしてもらいことにして、その場を借
りて軽くチャート式地学の実践、その2三波川変成帯のマイクロブーディン構造につ
いてふれました。詳しくは、次の機会にということにして。結局終わったのが12:10
分くらいとなりました。そこで解散。

日時:3月7日(土)午後1:15分 〜8日(日)10:30くらいまで。
場所:静岡大学理学部付属天城フィールドセミナーハウス

内容:
3月7日(土)第1部
13:50 シアセンス・インディケーター               伊計秀明
15:00 チャート式地学の実践、その1
   メタチャート・マイロナイトの変形組織:マイカフィッシュ   釘宮康郎
16:40 簡単な自己紹介

第2部
夕食準備、飲みに突入。
3月8日(日)
08:30 朝食
09:30 清掃
10:10 参加者全員の研究・自己紹介(OHPを使用)
    この中で、10分くらいでチャート式地学の実践、その2
     三波川変成帯のマイクロブーディン構造 
13:10 セミナーハウスで解散

夕食:鍋もの
朝食:雑炊



第6回 ちょ〜若手の会, 参加者の感想

                                         都立大 院 地理 橋本 幸恵

静大セミナーハウスは遠かった。
雪が積もり、水は手を切るほどに冷たくて、ガスも出ない。
とっても寒いので変温動物のわたしにはつらかった。
だけど講演は面白かった。
他の人は地質関係の人が多かったみたいだけど、
わたしは地理屋の卵で、地形・地質のことも一通りやったはずだが、
まるで身についてないので、初めて知ることばかりで興味深かった。
自分ではきっと手を出さないであろう分野の話が聴けて良かったと思います。
        


                                          東大 院 総合文化  加藤拓弥

  今回のテーマは「シアセンス・インディケータ」ということで、チャート
などの中の微小な構造から、その地域が過去にうけた応力の方向が再現でき
る(と私は理解しましたが、それでよかったのでしょうか)ということでし
た。専門的な部分はいくらか難解でしたが、このような、ミクロとマクロが
するりとつながる話は聞いているだけで愉快です。私などは、この愉快を味
わうためにちょ〜若手に顔を出しているようなものなので、今回もそれを満
喫することができて満足です。
  まだ雪の残る伊豆の山中の空気のおいしかったことも印象的でした。
  おいしかったと言えば夜の鍋と朝の雑炊。
  それからガス騒動、ってのが感想文のお約束ということで。


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「ちょー若手の会」へ 学際研究の重要性

 神戸の地震から3年経ちました。3年前には分子結晶である氷(H2O、CO2,
SO2,CH4)の物性研究から氷天体である外惑星のESR年代測定基礎研究を行
い、「量子地球物理学」を作ってみたいと夢見ていました。地質学や考古学の「過去
を見る学際科学」を電子スピン共鳴(ESR)で行い、氷天体の研究では未来の試料
の年代測定を展開するつもりでした。しかし,足下が揺らいだ神戸の地震の後、私は
(研究室は同じ研究をする人がいても)、ここしばらくは地震の問題を解決しようと
決意しました。何の役にも立てない私が始めた「学際研究の経験に基づいて進めるボ
ランティア研究」と言ってよいでしょう。異分野から地震の被害の軽減に貢献できな
いかと考えています。

 誰かが伝承にある前兆や市民の前兆証言を科学的に解明し、地震予知(予測)やリ
アルタイム防災に役立つかどうかを見届けないといけないのです。このままでは、神
戸地震の前に起こった動物異常行動も電器製品の誤動作も、すべて東洋の迷信とされ
てしまいす。前兆証言が風化した頃に地震が起こります。独断と偏見は私の得意とす
るところです。前兆現象の科学的解明の実験を続けながら、自宅では毎晩10:00pm-2:
00amまで老骨に鞭打ち日々に進展する研究を一冊の本にまとめました。携帯電話の電
磁波の危険性まで論じました。

        「地震の前、なぜ動物は騒ぐのかー電磁気地震学の誕生」
                        (日本放送出版協会、1998)  定価 970円+消費税

が、NHKブックスとして発売されました。浅学非才の身で、初めての一般向きの本だ
ったため、執筆に多分、6000時間はかけているでしょう。時に流されていく身の悪あ
がきかもしれませんが、久々に自ら実験して研究を楽しみました。いつの日にか、大
地震の直前予測ができる時が来ることを願っています。

 若手の皆さんは、異分野に関心を持ち研究されることを望みます。こんな研究をし
てると、研究室に入ってくる院生、卒研生ががた減りだから、他大学の方の電磁気地
震学への参加(阪大大学院MCとDC受験)を希望します。2重の意味での広告(?
)をお許し下さい。      池谷元伺(ikeya@ess.sci.osaka-u.ac.jp)



会計報告

食費+雑費+セミナーハウス使用料=47600円(2800/1人)
交通費補助=合計で94000円
(内訳)
東京:5000*6=30000円
静岡:2000*6=12000円
名古屋:9000*3=27000円
京都:12000*1=12000円
大阪:13000*1=13000円


Date:    Thu, 19 Mar 1998 00:41:10 JST
To:      zebra@seno-sun.eri.u-tokyo.ac.jp
KUGIMIYA,YASUO  :  r5544002@sci.shizuoka.ac.jp
Institute of Geosciences, Shizuoka University
836 Oya, Shizuoka 422, JAPAN

暫定HTML版: 1998-03-19  増田耕一(都立大学)