今年も科研費応募申請の時期がやってきました.昨年は重点「全地球史解読」 公募に多数応募して頂きました(90件応募,27件採択,平均分配額1,619千円, 最高分配額3,000千円).来年度は最終年度となりますので,採択件数は多少減 ることになりますが,再び,あるいは新たに来年度の公募に応募して頂くようよろ しくおねがいします.応募の数が増えるだけ,採択件数も多くなりますので,そ の点をご配慮のほどよろしくお願いします.事務局では応募書類の余分も用意し ておりますので,もし用紙の申込みに遅れた方はお申し付けください.
領域略称名:全地球史解読 領域番号:259 研究期間:平成7年度−平成9年度 領域代表者;熊澤峰夫 所属機関:名古屋大学理学部
本領域では,地球とその物理的環境の恒常性とその進化、および太古代・原生 代境界など地質時代を画した大変動の実体を理解する。その方法として、時間の 順序にしたがって海底に沈殿固結した縞状堆積岩などを、未知の時刻マークつき 地球史40億年の連続記録テープとみて、その組織的採集・記載・解読・モデリン グによるアプローチをとる。特に従来研究が希薄であった2億年以前に重点をお き、全地球史の組織的解読を目標にした効率的な解読手法の開拓に加えて、太陽 系の環境を示す地球外物質の流入、太陽放射と気候の変動、月地球回転系の力学 進化、原始的生命と環境の共進化、海陸分布の変遷、および地磁気の変動や火山 活動などの地球内部ダイナミクスを反映する個別諸現象の読みだしを行う。地球 の進化を変動を支配する地球外要因から地球中心核までの多様な相互作用とその しがらみを、物理および数値モデリングによって研究して、反復実験のできない 地球システムの構造を理解する。
このため、次の研究項目について「計画研究」により重点的に研究を推進する とともに、これらに関連する一人又は少数の研究者による研究を公募する。
(研究項目)
A01とる:岩石試料の組織的確保と基礎的な記載(班長:東工大丸山茂徳) A02とけい:絶対年代と規則的縞模様の相対年代(班長:天文台大江昌嗣) A03よむ:諸現象の読みだしと効率的手法の開発(班長:岐阜大川上紳一) A04もでる:モデリングによる地球システム理解(班長:東大地震研瀬野徹三)瀬野徹三 (東大地震研究所)