平成15年度センタープロジェクト報告
DB/DAプロジェクト
市川伸一、安田直樹、野田祥代、榎基宏、
古荘玲子、吉野彰、磯貝瑞希、田口弘子
DB/DAプロジェクトは、データベースとデータ解析に関する研究開発、
および、天文データセンターの運用を行うセンタープロジェクトである。国立
天文台外の方々にも多く参加していただいており、平成15年度の本プロジェ
クトの参加者は28名であった。
◎天文データセンターの運用
天文カタログ(数値や文字の表形式データ)、文献データベース(ADS;ApJ,
AJ,PASP,A&A,A&AS)、天文画像(全天サーベイ乾板のデジタイズ版であるDSS,
DSS2など)、IUEデータアーカイブ、HSTデータアーカイブなどの様々な天文デ
ータを収集・管理して公開し、国内外の天文学研究者や教育関係者の利用に供
している。
運用の中核は、ハワイ観測所(すばる望遠鏡)、岡山天体物理観測所、東京
大学木曽観測所のアーカイブデータを公開している SMOKAシステムである。デ
ータの蓄積とともに SMOKAの利用は増加しており、平成15年度に SMOKAから
利用者に供されたデータ量は前年度の3倍、1557GBに達した。SMOKA から取得
したデータによる天文学研究論文も徐々に増えてきており、平成15年度に主
要論文誌に掲載されたものは4編であった(前年度は1編)。SMOKA の有用性
は研究面だけにとどまらず、高校地学の実習教材の開発など教育面にもわたっ
てきている(参考: http://paofits.dc.nao.ac.jp/)。
また、多波長画像表示システム(jMAISON)を宇宙航空研究開発機構宇宙科学
研究本部宇宙科学情報解析センターと協同で運用している。
上記のサービスは全て天文データセンターの WEBページ(http://dbc.nao.ac.jp)
からアクセスできる。
◎データベースとデータ解析に関する研究開発
SMOKAの開発を引き続き進めており、平成15年度はすばる望遠鏡 SuprimeCam
の一次処理済みデータの提供機能、および、データ提供時のFITS ヘッダ修正機
能の開発を中心に、環境データの提供機能や、高度な検索機能の開発を進めた。
また、宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究本部宇宙科学情報解析センターと
協同で jMAISON の開発を引き続き進めるとともに、宇宙科学研究本部との間の
スーパーSINET 専用接続を活用した天文データベースの連携運用などの実験研究
を行った。
以上。