【概要】
2017年、連星を成す二つの中性子星の合体現象が、重力波と電磁波を用いた観測によって世界で初めて捉えられました。実は、中性子星どうしの連星が作られる条件はたいへん難しいと考えられており、その形成過程はこれまで明らかになっていませんでした。この問題を解決するために、国立天文台理論研究部の守屋尭 特任助教らの研究チームは、次のような理論が唱えてきました。中性子星と連星を成している星の外層が大きく剥がれ、その状態で超新星爆発を起こすと、結果、中性子星どうしの連星が作られるという説です。そしてついに、この理論で予測された外層が大きく剥がれた超新星とよく一致する特徴を示す超新星が、過去の観測データからこのたび発見されたのです。これは、中性子星どうしの連星を形成すると考えられる超新星爆発を、世界で初めて捉えた観測と言えます。(2018年10月12日 プレスリリース)
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内容の詳細についてはこちらをご覧ください:国立天文台理論研究部 プレスリリース「中性子星の連星をつくる、外層が大きく剥がれた星の超新星爆発を発見」
【本研究で使用されたスーパーコンピュータについて】
この研究では,連星の進化を計算し,外層が大きく剥がれた超新星の観測的特徴をシミュレーションするために,CfCA が運用する「計算サーバ」と「アテルイ」が用いられました.
「計算サーバ」(画像上)は小規模,非並列のシミュレーションのための計算機群で,2018年10月現在 224 ノードが運用されています.
「アテルイ」(画像下)は国立天文台が運用する第4世代のシミュレーション天文学専用スーパーコンピュータで,1.058 Pflops の理論演算性能を有し,2018年3月まで運用されていました.
【論文について】
題目:"A hot and fast ultra-stripped supernova that likely formed a compact neutron star binary"
掲載誌:Science
著者:K. De, M. M. Kasliwal, E. O. Ofek, T. J. Moriya, J. Burke, Y. Cao, S. B. Cenko, G. B. Doran, G. E. Duggan, R. P. Fender, C. Fransson, A. Gal-Yam, A. Horesh, S. R. Kulkarni, R. R. Laher, R. Lunnan, I. Manulis, F. Masci, P. A. Mazzali, P. E. Nugent, D. A. Perley, T. Petrushevska, A. L. Piro, C. Rumsey, J. Sollerman, M. Sullivan, and F. Taddia
DOI番号:10.1126/science.aas8693
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【関連リンク】
国立天文台理論研究部 プレスリリース「中性子星の連星をつくる、外層が大きく剥がれた星の超新星爆発を発見」
国立天文台 プレスリリース「中性子星の連星をつくる、外層が大きく剥がれた星の超新星爆発を発見」
カリフォルニア工科大学/GROWTHチーム プレスリリース(英語) "Dying Star Emits a Whisper ― The death of a massive star and the birth of a compact neutron star binary"