GPUを用いた多体問題計算入門
趣旨
銀河団,銀河,星団,微惑星系,惑星リングなどは重力多体系と考えられます.これらの系の構造や進化を調べるのには,構成粒子の運動方程式を数値的に積分して系の時間発展を調べるN体シミュレーションが強力な武器となります.N体シミュレーションのおもしろさと,GPUクラスタのさらなる有効活用を促進するために,N体シミュレーション立春の学校を開催いたします.学校では重力多体系の基礎物理,N体シミュレーションの基礎を講義し,GPGPUとGRAPEライブラリを用いたN体シミュレーションの演習を行ないます.
GRAPEライブラリは,重力多体問題専用計算機GRAPE※で使用されていた命令文をGPUで実行するためのライブラリです.GRAPEライブラリの命令文を使うことで,簡潔な記述でN体計算のプログラムをGPU上で動作させることができます.
※ 国立天文台では2001年1月から2021年3月まで運用されていました.
開催概要
主催
国立天文台 天文シミュレーションプロジェクト
日程
2024年2月13日(火)13:00 - 15日(木)17:00頃
会場
国立天文台 三鷹キャンパス [アクセス]
参加資格・定員
学部3年生以上、実習定員15名
※ 申込者が多い場合は先着順とさせていただきます.
※ viやemacsなどエディタを利用した経験があること.
※ 講義のみの参加も可能です.(1月受付開始予定)
参加費
無料
旅費・宿泊費補助
※ 旅費補助申し込み受付は終了しました.
申し込み
以下のリンクからお申し込みください.
終了しました
※ 初日の講義のオンライン配信のみとなります(現地参加不可)
※ Gmail でアカウントを登録されている場合,申し込み確認メールの配送に失敗します.
ウェブフォームのページ上部に「あなたはすでのこのウェブフォームを送信しています。こちらから前回の送信内容をご覧ください。」という文が表示されるので,そこから確認できます.不安な場合は別途お問い合わせください.
講義のみ受講申し込み締め切り:2024年2月13日(火)午前9時
参加申し込みを行うにはWebシステムのWebアカウント作成をしていただく必要があります.
詳細はWebアカウント作成手順をご参照ください.
なお,通常はWebアカウントの申請資格は大学院生以上となっていますが,
N体学校への参加を目的とする場合は学部学生からのWebアカウント申請も受け付けております.
注意: Webアカウント作成依頼の承認作業には 1から7営業日を要します.
講義・実習内容
[講義]
- 重力多体系の基礎物理
- 常微分方程式の数値積分法の基礎
- GPUの性質と公開コードの利用
- シミュレーションの可視化
[実習]
- N体シミュレーション用コードの開発
- GRAPEライブラリを用いたGPUコード化
- 銀河衝突のN体シミュレーションと可視化
実習にはC言語を使います(C言語に習熟している必要はありませんが、基礎は理解している必要があります)。
viやemacsなどエディタを利用した経験があることを参加要件とします。
[時間割](一部の講義に入れ替えがある可能性があります)
- 2月13日(火)
- 13:00-13:15 [講義0] オリエンテーション (小久保)
- 13:15-14:45 [講義1] 重力多体系の物理の基礎 (小久保)
- 14:45-15:00 休憩
- 15:00-16:30 [講義2] N体シミュレーションの基礎 (伊藤)
- 16:30-16:45 休憩
- 16:45-18:15 [講義3] GPU と GRAPE ライブラリ(谷川)
- 18:15- [実習0] 実習準備(波々伯部)※実習の環境が整っているか確認でき次第終了
- 2月14日(水)
- 09:30-12:00 [実習1] N体シミュレーションプログラムの実装 (小久保)
- 12:00-13:30 昼食
- 13:30-15:00 [実習1] N体シミュレーションプログラムの実装 (小久保)
- 15:10-16:10 [講義4] シミュレーションの可視化(武田)
- 16:20-17:30 [実習1] N体シミュレーションプログラムの実装 (小久保)
- 2月15日(木)
- 09:30-12:00 [実習2] GPUとGRAPEライブラリを用いたN体シミュレーション(岩崎)
- 12:00-13:30 昼食
- 13:30-14:00 [講義5] 高度なN体シミュレーション法 (小久保)
- 14:00-14:30 [遠足] 4D2Uドームシアター見学 (中山)
- 14:30-17:00 [実習2] GPUを用いたN体シミュレーション(岩崎)
講義は国立天文台三鷹キャンパス中央棟(東)輪講室で行います.
実習は各自のノートPCで行っていただきますので,PCをお持ちください.
実習は国立天文台三鷹キャンパス設置の計算機にログインして行います.
また上記時間割は現時点での予定です.
内容の変更・順序の入れ替え等がある場合がありますが,ご了承ください.
講師
小久保英一郎(国立天文台)
伊藤孝士(国立天文台)
谷川衝(福井県立大学)
岩崎一成(国立天文台)
武田 隆顕(国立天文台)
2023年度 N体シミュレーション立春の学校資料
● 銀河衝突実験のシミュレーションを可視化したもの.
過去の講義資料
これまでのテキストは以下から取得できます.
2022年度 N体シミュレーション立春の学校資料
2021年度 N体シミュレーション雨水の学校資料
2020年度 N体シミュレーション雨水の学校資料
2019年度
2018年度
2017年度
2016年度以前